第1棟完成への道 〜木造建築の未来を拓く挑戦〜

「思い付いたこの構法を世の中に送り出すには、どうしたらいいのか。」
答えを探し求める中で出会った先生方との縁が、道を切り拓いていきました。
最初の扉を開いてくれた人 〜古川 忠稔 教授〜
母校に相談しても専門知識に届かず、ネットで先生を探し続けた日々。
「木材」「木造」「ラーメン」などキーワードを手掛かりに探していました。16年も前の事です。たどりついた研究室。当時、名古屋大学准教授であられた古川先生のところへメールと電話をしたことを記憶しています。
お会いできることになり、手作りの30分の1スケール模型を抱えながら、とても日差しの厳しい日にキャンパスを横断して研究室へ。

思い付いた構法を説明したり、木材の特性に関するミニ講座をうけたり、分かってくれる人がいることに嬉しさがこみあげていました。
原点に立ち返る時は、いつも古川先生を思い出します。
その後、小原先生を紹介していただけました。
古川 忠稔 教授
中部大学工学部建築学科教授
京都大学土木工学科卒 同専攻修士課程修了
木造の世界を教えてくれた師 〜小原 勝彦 教授〜
「私が考え出した囲柱ラーメン木構造を世の中に送り出すには、どうしたらいいですか。」
大学・ゼネコンと、鉄とコンクリートしか知らなかった私に、木材・木造の基本を一から教えてくれました。
柱材・梁材の流通しているサイズのこと、基本的には壁倍率から設計していくこと、木質ラーメン工法の教科書は一旦業界から無くなったこと、すべてが耳に新しく、心中は情熱と不安が入り乱れていました。
そして、思い付いたこれまでにない新しい構法を建築として実現するには「実験」が不可欠であることを示してくれました。

いつも考えを1つに絞らず、いろいろな角度から物事を捉えてみえる印象で、小原先生と対話することで、開発の場面でも取りこぼしない考え方を教わりました。
そして、開発実験の実行役であるWOODAC河本代表を紹介していただきました。
小原 勝彦 教授
岐阜県立森林文化アカデミー教授
工学院大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了
構造体実験の伴走者 〜河本 和義 代表理事〜
「木質ラーメン・・・これはまた難しいことにチャレンジされるんですね。」
そんな一言から始まったのを思い出します。「まずはやってみましょう。」
試験方法・試験体の設計・試験治具設計製作・試験体吊りこみ組立て手順・加力反力の想定・面外変形などエラーの抽出予防や組立手順、費用の検討……。開発試験に必要なことを一つひとつ協力して、共に走ってくださいました。

プロトタイプの実験は、ラーメンとしては成り立たない程の弱々しいものでした。目の当たりにした破壊箇所の強度を上げていく、実験をしては一番弱い箇所を探し出してそこを強くする、その繰り返しでほんの少しずつでも外力に抵抗できるまでになっていきました。
世の中の様々な工法に精通しているので、瀧本の無謀な要求に対して時としてブレーキをかけてくれました。と同時に熱い口論もしました。今では判り合える仲となっています。
河本 和義 代表理事
特定非営利活動法人WOOD AC 代表理事
一級建築士事務所 TE-DOK 代表
夢は構想から現実へと動き出した
このつながりこそが、完成への道を拓いた原点でした。
実験が切り拓いた未来
机上の夢を、実験で証明する。本当の挑戦が始まります。
